AppProject イテレーション開発ガイド
AppProjectプロジェクトにおけるイテレーション開発プロセスの実践ガイドです。アジャイル開発の原則に基づき、継続的な価値提供と改善を実現します。
背景と目的
現在の課題感
現行のScrum体制では、スプリントや開発の流れが十分に機能しておらず、「進行・品質・可視化・責任所在」が不明瞭な状態にあります。
顕在化している問題
- リリースが遅延しており、優先度と責任範囲が曖昧
- リリースに限らずスプリント自体のPBI対応溢れも同様
- PBIがカンバン上で正しく管理されていないまま進行している
- クリティカルな不具合が未検知のままリリースされ、チェック体制が機能していない
- チーム内でこれらの状況に対するアラートやオーナーシップが上がらない
Scrumに切り替えた意図で達成できていない部分もあります:
- スコープ明確化 → 向上
- 連携の向上 → 向上
- 透明性向上 → イマイチ
- スピード → 怪しい
達成したいこと
この体制再構築の目的は、Scrumを「形だけの進行管理」ではなく意思決定・可視化・責任分担のサイクルとして機能させることです。
具体的には以下を達成したいと考えています:
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見える化の徹底
- Sprint前後のLinear / FigJam / Notion整理を通して、「誰が・何を・いつまでに・どの状態で」行っているかを明確化する
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オーナーシップの再定義
- PMを開発進行の中心(Scrumリード)とし、PMOが品質保証・判断支援として伴走
- Scrum Mastersはチーム心理と進行を支え、POが最終的な方向性と品質を保証する
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意思決定の整理と共有
- メンバーレベルでも背景や意思決定の経緯を理解できるように、Sprint開始時点で正しくこれらが共有され、その上でSprint中にチーム全員が「なぜそうなったか」を追える状態にする
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責任範囲の明確化とフォロー構造の整備
- QA/設計/リリースフローを明示化し「誰がチェックし、誰がリリースを承認するか」を整理/明文化する
ギャップを埋めるための方向性
この課題と理想のギャップを埋めるためには、ロールの再定義と運営ルールの土台づくりが必要です。
以下の方向で動くことを方針とします:
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PM中心の現場推進構造を明確化する
- 明示的にスプリント進行・課題管理・QAプロセスを一貫して担うPM的役割に集約
- PMOがレビュー・助言・体制設計を担うPMOとして支援する
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Scrum Mastersによるチーム運営支援
- ファシリテーションとデイリー・レトロの品質を担保し、チームが状況を「報告」ではなく「共有」できる状態をつくる
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ツール基盤と見える化の整備
- Linear、FigJam、Notionを整備し運用に適合させ、各スプリントのスコープ・担当・ステータスを常に可視化
- Sprint開始前/直後に「全員が同じ画面で同じ状況を見ている」状態を必ず作る
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POを改めて配置しプロダクトそのものの責任者を明確にする
- POが「プロジェクトとしての完成度」を担保した上で、Client同等であるCEOへの説明責任をもつことを明確にする
- PM以下はこの完成度を担保するための実務を担い、担保するためにどうするかを考え維持しながら日々改善に努める必要がある
簡易まとめ
現行のScrum体制で失われている可視化と責任の明確性を取り戻すため、PM中心の開発推進体制へ再構築し、PMOによる運営品質保証と、POによる方向性統括を基盤としてチーム全体の判断・進行・品質の一貫性を作り直す。
イテレーション開発とは
イテレーション開発は、固定期間のサイクル(イテレーション)を繰り返しながら、段階的にプロダクトを開発していく手法です。各イテレーションで計画・開発・レビュー・改善を行い、継続的に価値を提供します。
AppProjectにおけるイテレーション開発の特徴
- 固定期間のサイクル: 2週間単位のイテレーション
- 継続的な価値提供: 各イテレーションで動作するインクリメントを提供
- 透明性の確保: すべてのステークホルダーが進捗と課題を把握できる
- 適応的な計画: フィードバックに基づいて柔軟に計画を調整
このガイドの目的
このガイドは、AppProjectプロジェクトに関わるすべてのメンバーが、イテレーション開発プロセスを理解し、効果的に実践するための指針を提供します。
対象読者
- 開発チームメンバー
- プロダクトオーナー
- プロジェクトマネージャー
- ステークホルダー
ガイドの構成
- チーム概要: ロール別の役割と期待、開発チーム構成、コミュニケーションフロー
- イテレーションサイクル: 5つのスクラムイベント(プランニング、デイリースクラム、レビュー、リファインメント、レトロスペクティブ)
- 成果物とドキュメント: バックログ管理、完成の定義、メトリクス
- 学習リソース: イテレーション開発の基礎、上流工程とQAの重要性、推奨書籍